2022年度広島大学情報科学部編入学試験体験記

はじめに

 

この記事では、2022年度広島大学情報科学部の編入学試験を受けた感想、傾向の変化について話していきます。

 

前提として、私は不合格でした。これを踏まえて読んでいただければ幸いです。

(正直合格できる能力はあったと思いますが、試験当日にやらかしました)

 

編入学自体の体験記、用いた参考書などはこちらを参照してください。

 

目次

 

受験時の状態

私が受験した情報科学部は、英語試験の代わりにTOEICの提出が必要でした。

提出したTOEICのスコアは640で、受験者平均より少し高めといった感覚です。

昨年度の過去問(数学のみ)は満点でした。

C言語は今年から追加されたので過去問はありませんでしたが、筑波などの過去問をある程度解ける程度の実力はあったので、大丈夫だろうと高を括っていました。

面接も苦手意識は無かったため、特に対策はしていませんでした。

受験日程と時間

試験日時 7月31日

9:30~12:00 筆記試験(数学+C言語)

13:30~ 面接

各科目の解説と傾向の変化

広島大学情報科学部の問題は、試験実施後1年間公開されています(https://00m.in/Ju3eP)

筆記試験は時間が増え、午前まるまる使って行われました。

数学の大問が減り、代わりにプログラミングが追加されています。

筆記試験のネタバレ

[1]i.微分方程式を解くだけ。解答用紙が広いので丁寧に書こう。

 ii.本試験の遊び要素。類題が編入数学過去問特訓に存在。

 iii.∫[-∞→∞]E(x)dx = 1,Var(x) = ∫[-∞→∞]x*E(x)dxを用いる。

[2](1)曲線Cを行列により変換した像の方程式を求める。この方程式を利用すると(2)の最小値が楽に求まる。(3)はやや複雑な2重積分。双曲線であることに着目すると解法に辿り着きやすい。

[3]編入学試験お得意の線形代数。受験までに解けるようになっていたい一問。

 (3)の正則となる条件は、実際に代入してみて確認する余裕が欲しい。

[4]数学において最も大きな傾向の変化。

 昨年の過去問ではより一層踏み込んだ確率統計(正規分布や信頼区間等)が出ていたため、正直手ごたえの無い大問だった。確率統計で用いる基本的な用語の定義を復習することは来年度以降重要な対策の一つになるのではないだろうか。

[5]新たに追加されたプログラミングが試験のトリを飾った。

 問題自体は基本的なC言語のプログラムについて問われるものであり、解答の3割程度が実装に関する質問に対する文章解答であることから、最低限の説明力が必要。難易度自体は高くないので、他大学の情報科目過去問をいくつかこなせば自信をもって挑めると思う(受験したなかでは豊橋情報 < 広島情報 = 阪大情報)。

 

面接は、受験者を2つの集団に分け、2部屋同時進行で行われました。

まず、受験番号と氏名をきかれます(私は7桁の受験番号を言い間違えました)。

後に受験者内で情報共有を行ったところ、質問は非常に似通っていました。

主に、

志望動機→高専での研究内容→広島大学で何をしたいか→データ統計と機械学習の違い

という流れで行われており、最後の質問は自信のない回答をしたと大半が口を揃えていました。試験の傾向の変化も踏まえ、広島大学が求めている人材が少し分かるような気がしますね。

感想

広島大学を受験した結果不合格となったわけですが、後悔があるとすれば最たるものは当日時計を忘れたことです。運悪く試験室に時計がなく、2時間半を体感で計った結果大問5を2分で片づける羽目となりました。私からの提言は、受験前日に縋るように一夜漬けをするのではなく、ゆっくり落ち着いて荷物の確認をするべきということです。

もうひとつ私が犯した失態を挙げるとすると、問題に意固地になってしまったことです。[1]ii.や[2](3)は解けなくても残りを正確に解ければ十分合格できます(合格した他高専の友人がそうでした)。試験時間が始まると同時に問題用紙を開き、記名しながら各問題の概要をおさえる。この基本的な作業が合否を分ける一因になってくるかもしれません。

また、当日は面接が終わり次第解散となるのですが、およそ10分/人の面接で運悪く最後となった私は2時間ほど待つはめになったので、暇つぶしの本などを荷物に追加してもいいかもしれません。水分も多めに用意しておいて損は無いと思いました。

 

本体験記、編入学に関して質問があれば、TwitterのDM等で気軽に質問ください。

読んでいただき、ありがとうございました。

編入学試験体験記

はじめに

編入学試験が終わり、大阪大学工学部への編入が決定しました。

自分自身編入関連で悩むことがあった為、後の参考になればとこの体験記を書きました。体験記や編入学について質問があれば、Twitter(@TLE_maker)に気軽に投げてください。

 

目次

 

自己紹介

Takoといいます。明石工業高等専門学校電気情報工学科に所属しています。

部活など
  • 陸上部(1-3年)
    円盤投砲丸投をしていました。全国高専大会で8位、近畿大会で3位等
    高校の大会に出場できなくなりモチベが低下、3年の夏で引退
  • 情報工学研究部(1-5年)
    Teamsでオンライン活動をすることが専ら、幽霊に限りなく近い存在
  • 数学研究会(2-5年)
    設立メンバー、副部長。数学オリンピックに向けての活動や良問を持ち寄って解説などをしていました。
  • 学生会(1-2年)
    体育局に所属してスポーツ大会を運営していましたが、スポーツ大会の競技に出場したかったので脱退。
  • 音楽部(1-3年)
    銅鑼武をした。キャパオーバーとなり休止。
  • 高専祭実行委員会(1-5年)
    年に1度の高専祭を運営する学生団体。高専祭の達成感は桁違い。

各学年におけるクラス(約40人)での順位は、35位→26位→20位→16位→約10位で

4年までの通算成績はクラス25位前後でした。(平均75点くらい…?)

TOEICは出願時640点です。

 

受験した大学と結果

第一志望  大阪大学 基礎工学部 情報科学科   不合格

第二志望  大阪大学 工学部 電子情報工学科   合格

第三志望  広島大学 情報科学科   不合格

第四志望  豊橋技術科学大学 情報・知能工学過程   合格

編入期間なにしてた

基本的に5時間/日以上の勉強はしていません。あくまで一例として以下を読んでいただければ幸いです。

4年春

就職せず編入したいと思い始めた。

11月

先輩から問題集などを譲りうけ、本格的な受験対策を始める。

数学の編入問題集として有名な「編入数学徹底研究」「編入数学過去問特訓」を1周した。

12月~冬休み

「DUO3.0」の単語、用例をひたすら詰め込んだ。

1月

「DUO3.0」の8割前後は単語と例文が結びついた。

阪大基礎工の過去問を解いたところ、数10割英4割物理壊滅専門8割。

数学と専門科目の対策は後回しにして物理・英語に焦点を当てることにする。

2月-4月

編入数学過去問特訓」の解答を作成。物理から逃げて数学と英語ばかりしていた。

志望大学についての面談で、担任に「この成績では99%阪大基礎工に落ちる。工学部や広島大学に関してもやはり厳しい。豊橋技科大は今年受験人数が多いので(定員60に対して受験120人↑)滑り止めにはならない。」と言われる。

5月

物理の対策を始める。

阪大工学部の受験では、「物理(力学・熱力学・波動)」「電子回路」「電磁気学」「コンピュータ工学」のうち2つを選択しなければならない。電磁気も電子回路も苦手意識があったため、消去法で物理とコンピュータ工学を選択。

英語の参考書を増やした。

6月

過去問が解けるようになってきたので、割と行けるのでは?という甘い気持ちに襲われる。

28日、豊橋技科大の受験。

全科目8割超えたのでひとまず安心。

7月

10日、阪大基礎工の受験。

端的に言うと物理が破滅。焦って熱力学を学び直す。

学校の課題諸々が嫌なタイミングで重なりモチベが大きく下がる。

翌週、阪大基礎工の合格発表。落ちてた残念。

豊橋技科大の合格が発表された。浪人は回避。

8月

1日、広島大学の受験。詳細はこちら

腕時計を忘れて時間配分でやらかし、体感合格4割程度だった。

このままだと阪大工学部も惰性で落ちてしまいそうだったので、2週間真面目に勉強。ストレスによる馬鹿食いで4kg太った。

19日、阪大工学部の受験。

全てをぶつけた感があった。前泊で一切復習せず快眠したので、ストレスフリーで試験に挑めた。

27日、阪大工学部の合格発表。受かってた。良かった。

 

参考書一覧

自分が使った参考書は、周りと比べると相当少ない気がします。

各書に対する感想はあくまで個人的なものなので、気になったものがあればとりあえず読んでみてはどうでしょうか。

中には3000円以上するものもあるので、欲しい人はこれが欲しい!と一報ください

 

※寮に大半を置いて帰省しており、覚えてない参考書がいくつかあります。それらを思い出し次第随時更新していく予定です。

英語

 

 

数学
物理

 

やっといたらよかった、やっててよかった

1~3年は本当に何しても良いと思います。私は部活と趣味に力を注ぎました。

受験や進学のことは何も考えていませんでしたが、正直そんなものではないでしょうか。自由を売りにしている高専で、やりたいことができる幸せを嚙み締めましょう。

 

ただ、最も「やっといたらよかった」と思ったことはTOEICです。

私がTOEICを始めて受けたのは4年の8月でした。500点という微妙な結果を受けてはじめて、「あれ、もう少し早めにやっとくべきだった?」と焦り散らかしました。結果、出願シーズンまでに仕上がらず、広島大学に640点を送り込む羽目になりました。各大学には手続きに2週間程度かかる成績証明書を送る必要があるので、5年になったらTOEICを仕上げる時間がありません。TOEICしてる場合じゃねぇ、受験科目の対策で手一杯だよ…と自責の念と共に勉強することになるので、本当に早めのTOEICをお勧めします。本当に。(筑波・神戸を志望される方は、730点以上は欲しいらしい。)

逆に「やっててよかった」と思ったのは交友関係の構築です。

これは、「やっててよかった」と言うよりかは「恵まれていたな」と言うべきなのですが、友人の存在が本当に非常に非常に大きかったです。

私は弱い人間なので、すぐサボってしまったり、嫌なことから逃げてしまう習性があります。それを引き戻してくれるのは友人でした。オンライン授業でモチベが低下する中、一緒に勉強してくれたり、質問をしてきてくれたり、間違いを指摘してくれたり、「お前出願忘れとるんちゃう!?」と大慌てで警告してくれたり(その節は本当にありがとうございました)。特に阪大工学部に一緒に合格したクラスメイトには頭が上がりません。本当にありがとう。

 

また、高専で生活するうえで先輩の存在は非常に大きいです。

仮にn(<=4)年上の先輩と入学時に仲良くなれると、そこから5-n年間過去問を得られ続けます。私は寮生なのですが、入学時に同部屋となった1学年上の先輩にお世話になりっぱなしでした。その先輩は阪大に編入され、おすすめの参考書なども教えていただけたので、高専での縦関係はメリットでしかなかったです。

 

追記(2022/02/02):数学オリンピック情報オリンピックなどの科学オリンピックにある程度の熱意をもって挑んでいたことが少なからず功を奏したと思います。高専3年生以下の方は積極的に取り組んでみてはいかがでしょうか。

総括

途中紆余曲折ありましたが、編入を目指している学生の中では割と気楽にいけたんじゃないかと思っています。無理だとは言われたものの、なんやかんやいけるかもの精神で本命の阪大に合格することができました。

参考書の半分以上が阪大に受かった先輩から頂いたものだったので、「とりあえずこれを解いたらいけるだろう」という一種の開き直りでがむしゃらに挑めたことが功を奏した気がします。編入試験はその希少性ゆえに、参考書探しだったり勉強法だったり模索しなければいけないことが多かったです。なので、これから編入学試験を受ける方の助けになれればと思っています。